マンションリノベが花形ですが。season5
弊社のリノベの過半数は、マンションのリノベーションです。ええ、たしかに、「注文住宅のようにカスタマイズできるマンション」という魅力は大きい。もう、抗いがたいほどの魅力です。しかし…。こんな、大マンションリノベ時代において独自の個性、いや”色気”を放っているのが、『戸建てリノベ』です。まっさらなキャンバスのようにフルスケルトンにできるマンションとは異なり、戸建ては構造を支える柱や梁(はり)を好き勝手に壊したりすることはできません。でも、その『制限』がいいんじゃないでしょうか。家を住み繋いでいく感覚を、味わい深い色味になっていく柱や梁から感じ取る。さながら、意中の人の背景を妄想するように。もちろん、戸建てだからこそ手に入れられる自由度も、もちろんあります。
さて、大マンション時代により際立つ、戸建てリノベの奥ゆかしさをお届けするこの企画『マンションリノベが花形ですが。』 タイトルからにわかに漂う昼ドラ感が、お好きな方もお嫌いな方も最後までお付き合いいただけますと幸いです。
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窓際の昼下がり
タワーマンションのエントランスに颯爽と入場していくのも悪くないんですが、ウッドデッキにパジャマ姿で寝転がる。これも一つの、夢ではないでしょうか。パジャマ姿ってのが大事です。スーツじゃだめですよ。極限の自然体こそ、ウッドデッキに似合います。そんなウッドデッキの事例をいくつかピックアップ。
こちら、遠く海外のお宅のお庭です。一番のポイントは、奥に見えるライトグリーンのミニカーのような車なわけですが、ランダムに茂る木々の中で、水平に突き出すウッドデッキが存在感抜群です。敷地の狭い日本では、こんなに広いお庭はとれないケースがほとんどです。しかし、部分的に参考にできるところはあるはず!例えば、この事例で面白いのは、ウッドデッキの上のブルーのホーローランプ。テーブルとの位置関係が抜群で、「完全に外なのに、中」という施主様のこだわりを感じます。
テラスにソファって、憧れませんか?この事例の骨組みの屋根だと、雨の多い日本ではいささか不安ですが、この木組みのルーフにグリーンを這わせて、木漏れ日を作り出す。ウッドデッキへの開口部を最大限広げたことで、室内にも木漏れ日が差し込みます。ね、ご自分がソファに深くもたれながら、日々の喧騒の中で読めずにいた新進気鋭の若手エッセイストの本、読みたくなりませんか。多少、家の面積を削ってでも、この空間を作りあげることができるなら、戸建てリノベ、最高です。
郵便屋さんを驚かせよう
最近、多くのマンションでは宅配ポストがあって知らず知らずのうちに、荷物が届いていることもしばしば。でも、戸建ての家だと必ず玄関でお話することになります。外観は普通なのに、中に入ったらあっと驚くのがリノベです。驚きの入り口が、まさに玄関ですから、訪れてワクワクするような楽しい玄関を作りたいですね。
落ち着いたグリーンの色褪せ加減が、絶妙にこなれているこちらのお家。屋根を見ていただけるとわかるように、かつては典型的な日本平屋の物件をフルリノベーションしています。アメリカ西海岸のテイストむんむんの玄関アプローチです。規則正しく並んだ踏み石が、グリーンとのなんとも言えない相性です。外構から目を惹かれるわけですが、玄関のドアを開けてみると、もう一度驚きます。
どうです?自慢したくなっちゃいます、僕の家じゃないけど。天井の和風な雰囲気が多少残っているのですが、ヘリンボーン(ニシンの骨に似てるからヘリンボーンって言うらしいですよ)のパネリングに、レンガ、そして目隠しの白いブラインドという『ミッドセンチュリー3兄弟』のみなさんとも絶妙にマッチしています。このギャップですよ。ギャップ萌え、いや、GAPMOEです。郵便屋さんもびっくりです。
最後にご紹介するのがこちら。「あれ、おしゃれなアパートだな」って思いますよね。しかし!!ここ、家の中なのです。その手があったか!と思うデザインです。廊下のドア一つひとつが別の家かのようですが、下の写真をみてわかるようにお部屋なんです。
荷物を届けにきたのに、さらに部屋がわかれてて、靴を脱いで進んだら、家の人にびっくりされる。そんな情景が思い浮かぶのは僕だけでしょうか。こんなお家だったら、お子さんも「ここ、ぼくのおふぃすね!」って3歳くらいで言い出すような、アントレプレナーシップを携えて育つ気がします。
おわりに
今回は、リノベーションする際に、あえて戸建てを選ぶと、「こんな楽しいこともできるよ」ということで、ウッドデッキと玄関についていくつかの事例をお届けしました。いささか、昼ドラ感の足りない爽やかなご紹介になってしまいましたが、ゾンビドラマのウォーキング・デッドだって、ゾンビが出てこない回もある(?)と思うので、気にしません。ということで、次回もお楽しみに。