【戸建てリノベ|インタビュー】構造を変えられない!?なのに「期待以上」の空間になったワケ

[記事更新日]2020/06/09

今回ご紹介するSさんご夫婦は、3階建てのうち1階を集中的にリノベーションされました。

担当したデザイナーと「阿吽の呼吸でできた」と話すリノベーションは、広さが最大限に引き出された空間となりました。広く見える工夫が随所に散りばめられた設計です。

「物件の構造・設備を理解した上で、デザイン性・機能性を兼ね備えた」という空間はどのようにしてできたのでしょうか。Sさんご夫婦から伺った家探しの経緯や理想の家を造るのに必要と感じたこと、そしてデザイナーがこだわったリノベーションのポイントについてご紹介していきます。

リミットは賃貸の更新。無理なく自分たちのペースで家探し

家を購入しようと思ったのは「賃貸の家賃VSローン額」

「賃貸の家賃が、ローンと比べても大して変わらない額なのに、払い続けても自分たちの手元に残らないと思ったら、買ったほうがいいなと思ったんです。それなら、次の更新前までに家を買おうとなって、1年くらいかけて探しました。毎週末を全て内見するというふうにはできなかったので、自分たちのリズムで少しずつ見ていきました」

きっかけは、SNSで友だちがしていた“いいね!”マンション・戸建でのこだわりはなく、リノベーションを知って、気になり始めていた時に見つけたのがBeatHOUSEでした。

「価格面からも、新築だけでなく中古も視野に入れるようになりました。『中古にするならリノベーションがいいよね』となって、リノベーション会社を探していたときにBeatHOUSEさんを知ったんです。友人がFaceBookでBeatHOUSEさんに“いいね!”したのがきっかけで、自分のフィードに出てきたんですよ。他社も問い合わせたんですが、あちらが休みとかで日程が合わなくて。BeatHOUSEさんに問い合わせたら、休みでも『いいですよ』と言ってくださったのもあり、タイミングよくお伺いすることができました」

絞ったエリアからの物件選び、決め手は?

以前は隣の駅にお住まいで、物件選びはエリアを絞ってされていました。こちらにした決め手はなんだったのでしょうか。

「物件の第一条件は、駅近であることでした。BeatHOUSEさんに伺う前、ポータルサイトで見つけた物件も内見しました。ここを入れると内見した物件は全部で10件くらいかな。ここが良かったのは駅近であることに加えて、道が平坦だったこと。他の物件は行くまでの間に坂道が多かったけど、毎日歩くのはしんどいかなと。でも、ここは来るまでに坂道がなかったのでいいなと思いました。物件自体も築浅で、状態が良かったのも決め手になりました」

開放感あるヴィンテージなカフェスタイル

こちらの物件は3階建ての5LDK。2階、3階はアクセントクロスや部分的に設備を取り付けた程度で、1階をメインにリノベーションしました。内装はグレーと木目調がベースのヴィンテージ感が漂うカフェスタイル。

どのように内装を決められたのでしょうか。

「私がこういうヴィンテージでカフェっぽい感じが好きで、いいなと思うイメージを3枚と、購入予定だった家具の画像を高橋さん(担当デザイナー)にお渡ししました。あとは私たちの生活スタイルとか、新居でしたいことなど話したら、そこからいろいろと膨らましてくれて、提案してくれました。何パターンか提案してくれたので、私たちも何がいいのか考えられたし、わかりやすかったですね」

リノベーションで大きく変わったもう一つは、廊下をなくしたことです。リノベーション前はリビングに沿って廊下がありましたが、リビングの壁を撤去し、独立した廊下をなくしました。玄関を上がって引き戸を引くと、目の前にはLDKが広がります。

「以前あった廊下の幅が狭くて、何だか苦しそうな感じがしたんです。本当に通路のためだけにあるって感じ。それをどうにかしたいのと、リビングを広くしたいと伝えたら、高橋さんが壁を壊して廊下をなくす提案をしてくれました」

壁がなくなり、全体を見渡せることで開放感が生まれます。

柱をデザインに取り込む、フローティング仕様の造作テレビボード

リビングに入ると目を引くのが、こちらのテレビボードです。リビングのシンボル的存在ですが、X字の柱の正体は、取り壊した壁の中にあった柱。このように取り払えない柱は、その形を活かしてこのようにアイコニックな存在に変えることが可能です。柱が室内に溶け込むように、壁に合わせてグレーに塗装。色を統一することで一体感が生まれます。テレビボード本体は、床材のブラックウォルナットとトーンを揃えた木材にしています。

実はこちらのテレビボード、細部へもこだわりを見せるデザイナーによって、絶妙に計算されたデザインなのです。

テレビボードの天板と、キッチンカップボードの上から2番目の棚板を同じ高さにしています。このように高さを合わせると、空間が整った印象になるのです。加えて、フローティング仕様のテレビボードは、デザイン性だけでなく掃除のしやすさも考えられてのこと。また、足元が開放されていることで、さらに奥行きが生まれます。デザイン性と清掃性が備わった設計です。

大人ヴィンテージを演出する2つのポイント

ヴィンテージ調を高めているのがこちらの窓と天井です。

窓にはウッドシャッターを取り付けました。取り入れるだけで海外の家のような雰囲気にしてくれます。デザイン性だけでなく、遮光性に優れておりプライヴァシーを確保しながら風を通すこともできる、抜群の機能性を持っています。左右に折りたたむことができるので、必要に応じて形を変えることが可能です。こちらはご親族からも大絶賛だったそうです。

もう一つは下がり天井。デザイナーに渡したイメージの中に無垢の下がり天井があり、取り入れました。無垢の濃いブラウンを際立たせ、ヴィンテージ感を引き出すためにデザイナーが考えた結果、壁の色をグレーにしました。間接照明を取り付けたことで、落ち着いた大人な雰囲気を作り出せます。下がり天井で大人な雰囲気だけでなく、ご主人のご要望だった電動プロジェクタースクリーンを埋め込むこともできました。リノベーションではこのように、様々なスペースを希望に合わせてデザインしていくことが可能です。

こだわりが凝縮、極小キッチンから広々キッチンへ

今回のリノベーションで大きく変わったのがキッチンです。納戸の壁を取り払い、対面式に生まれ変わりました。以前のキッチンは、納戸との壁に付いて配置され、かつ奥まった場所にありました。

「前のキッチンは、リビングとの半壁(縦写真参照)があるから狭くて、使いにくそうだったんです。でもこの壁は構造体の柱と筋交があり、またパイプシャフトにもなっているから取り壊せないみたいで、納戸だった位置にキッチンを造りました」

構造と設備のため取り壊せない壁は、リビングでもキッチンでもない空間。半個室のようにも使えるので、椅子を置いてゆっくりと読書するスペースとしても使えます。

「最初は元の位置のままでキッチンを造って、ダイニングを今のキッチンにする予定でした。でも、キッチンを移動して大正解! 広いし、使い勝手も抜群です」

配管の位置などによって壊せない部分があるというのも、リノベーションではしばしば起こります。しかし、こういった物件の構造を活かして、新しいデザインが生まれるのも、リノベーションの魅力です。その一つが、リビングとの仕切りにもなっているカップボード。壁の内部に排水管が通っているため取り壊せませんでした。そして、それを取り込み、生まれたのがこのカップボードなのです。物件の構造と設備を踏まえ、機能性とデザイン性どちらも追求したからこそ生まれたというわけです。

キッチンの壁にはブラジル産のタイルを施しました。一つひとつ焼きムラがあって、色味も微妙に異なるのが特徴です。カウンターの面材のブラウンと味わい深いグリーンは相性抜群。背面に作業台も造ったので、前後の小さな動きで作業ができる便利なキッチンになりました。

洗面台を取り込み、ホテルライクなトイレに

元々は単独だったトイレですが、ホテルライクなゆとりのあるトイレにしました。階段下収納の手前のスペースはレストルームの前室になっていて、トイレ+手洗いの空間=レストルームに取り込むことにより贅沢な空間を演出しています。階段下収納の壁下には点検口がついているため、人が出入りしやすいように稼働棚にしているそうです。

また洗面とトイレの間の高めの腰壁は、戸を開けた時、便器がすぐ目に入らないように計算し計画されているとのことです。

リノベーション中に起こったハプニングは?

とてもスムーズに進んだ家造りですが、工事中にはちょっとしたハプニングもあったそうです。その一つが、リビングのエアコンの取り付けでした。

「下がり天井のエアコン設置がちょっと滞りました。本天井と下がり天井の間に設置するとなると、
通常問題ないとされる空きスペースは確保していたものの、エアコンが下がり天井より下側にはみ出るかもしれないので、選べる機種が限られてきます。また、オープンな壁に取り付けるのと少し異なるという理由で、メーカー保証が効かないかもしれないと家電量販店から言われました。その辺りを考慮して機種をどうするかとか、工事をどうするかとかで少し手間取りました。最終的には施工管理の方がなんとかしてくれて無事に設置できたのですが、それもこちらに引っ越してきてから。でも、無事に取り付けられて良かったです」

そしてもう一つは、言葉の認識違いによって起こったものでした。

「キッチンの横に一部納戸を残しているのですが、そこにもともと棚板があって、それをどうするか話したときに、僕たちはこのままでいいだろうと思って『特に何もいらない』とお伝えしたんです。でも解体工事後、棚板がなくなっていて。話をしたら「何もいらない=何もない状態」と理解されたとのことで、棚板を取ったと。お互い話しをして、確かにそう思うこともあるよなぁと。でもすぐにその後、付け直してもらったので問題なかったです。言葉の大切さを改めて実感しました」

これからリノベーションをする方へメッセージ

最後にSさんご夫婦から、リノベーションを検討している方へ向けてメッセージをいただきました。

「まず大切なのは、自分の生活スタイルを知ることかと思います。リノベーションはリノベーションをする人の数だけあって、形が決まってない。だから自分たちが普段どんな生活をして、それを踏まえて新居でどんなふうに暮らしたいか。ということを明確にして、デザイナーさんに伝えることが必要だと思います。そのために、自分たちの日々の暮らしを洗い出すことです。実際、僕たちもリノベーションするまではあまり意識したことなかったけど、今回を機に自分たちの暮らしを改めて認識しました。それは個人的に良かったかな。
あとはデザイナーさんやコーディネーターさんとの相性も大切だと思います。提案されたことが『なんか違うな』と思ったら、はっきり言ったほうがいいんじゃないかと。スムーズにやりとりできるほうがお互いにとってもいいと思うので、もしずっと打ち合わせしていてもそれが拭いきれないなら、変えてもらうのも一つだとは思います」

「今回リノベーションをして、自分のイメージややりたいことを打ち合わせで伝えるのが大切だと思いました。自分の中だけで『こうしたいな』と思っているだけでは伝わらないし、しっかり言葉にしないとズレが生じてしまうので、細かなことでも伝えるのがいいと思いますね。私たちの好みや要望を想像以上にしてくれたのは、なんでも話したからだと思います。どんなことでも伝えるのが家造りには必要だと思いました」

BeatHOUSE設計担当/髙橋

家造りにおいて大切なのは、とにかくコミュニケーションをすることだと思います。料理で例えるなら、「この食材で料理をしてほしい」とご要望があれば、それに対して「どんなスパイスで、どういう調理法で作って食べたい食事をご提供するのか」を考えますし、逆に「こんな料理が食べたいです!でも食材や調理方法がわかりません。」というご要望であればそれに対して「この食材と調味料をこう言う手順で調理するとできますよ」のようなやりとりと同じです。

頂いた情報にアイディアを加えてご提案するので、どんなことでもお伝えいただければと思います。私たちデザイナーは、お客様のイメージを具現化することが仕事。好みを知ることはもちろんですが、その物件の構造・設備を把握した上で意匠を凝らす。これが設計には欠かせません。制限が出ると思う構造や設備も、その特性を理解すればより良いものが生まれます。物件そのものを活かしつつ、理想の住まいに仕上げることを日々心がけています。

Sさんお二人が喜んでお話される姿を見て、私自身、今後の活力になりました。ありがとうございました。


この記事の情報を用いて行う行動に関する判断・決定は、利用者ご自身の責任において行っていただくと共に、必要に応じてご自身で専門家等に相談されることを推奨いたします。弊社は、当記事の情報(個人の感想等を含む)と、この情報を用いて行う利用者の判断について、一切の責任を負うものではございません。

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