【プロが話す】実際にあった、不動産売却とリフォームの話し

[記事更新日]2017/04/23

ここのところ不動産売却のご相談が増えています。その際によく質問をいただくのが「古いのでリフォームしないと売れないかな?リフォームした方が高く売れるかな?」

当然、部屋が乱雑だったり、汚れていたり、設備が古く壊れていたりすると、見学に来た方の印象は悪くなります。では、どの程度リフォームに手をかけた方がいいのか?実際にあった私の体験談から考えてみたいと思います。

売主さんが善意でリフォームしたケース

横浜市のとあるマンション。ご年配のご夫婦からの相談で30年余り住んだマンションを処分して、田舎にある実家に移りたいとのお話しでした。

2人いる子供たちも結婚し独立。仕事に子育てに大忙しで、新築で購入して以来一度もリフォームをしたことがなかったとのことでした。

売却相談前に、奥様は使い古したキッチンやお風呂、トイレといった設備が老朽化してしまっていることをとても気にされ「これでは誰も買ってくれない!」としきりに不安がっていたところ、優しいご主人は売りに出す前に、密かに知り合いの地元の工務店に依頼して、設備を一新。壁紙も奥様のお好みで明るい色で統一(トイレは花柄)。費用は350万円強かかったようでした。住みながらのリフォームなのでとても苦労されたのではないかと思います。

買い手さんみつかる、しかし

設備だけはほぼ新品の状態で、いざ売出開始。ただし「ほぼ」であって、住みながらの売却活動なので多少の使用感はあります。

購入希望者さんが見学に来た印象としては「新しめで使い方がきれいな設備ですね!」と比較的プラスポイントにはなりました。

販売期間、約1か月余り、何組かご案内があった後、同じマンション内に実家がある、若いご夫婦から購入を検討したいとの申し出がありました。幼いころ住んでいた、勝手知ったるマンションなので、周辺の環境や利便性、実家の近さもあり、スペックとしては申し分ないとのことですが、1点だけ相談があると。

せっかくのリフォームですが

その若いご夫婦から、「家族が少ないので、部屋数を減らしリビングを広くしたい。あと、新しいのだけど気分的にトイレは交換したい(壁紙も)。資金計画上リフォーム代を捻出できないので、一部値引きをしてもらえないか、交渉して欲しい」とのご相談でした。

相談としては良くある話です。ホント良くある。ただし、売主さんの気持ちを考えてしまうと少しやるせなくなります。

しかも、間取りの変更に伴い、キッチンも抵触するので交換しなければなりません。せっかくの善意で施した設備のリフォームをすぐに撤去したいとは。。ご希望は伝えなければならないので、買主様には悪気はない旨をオブラートに包み、老夫婦にお話しをしました。

気持ちの良い取引

「気に入ってくれたことがなにより。値引き価格はそこまで協力できないかもしれないけど」と快く申し込みを受けて下さったご主人。ただ、顔はおもいっきり苦笑い。奥様には買主様が再度リフォームすることは言わないでおくと、最後まで優しい方でした。

その後、取引はスムーズに進み、引渡しの時は、買主側のご両親のとても嬉しそうな笑顔が印象的な気持ちの良い取引になりました。

でも、リフォーム代の350万円と値引きの80万円は無駄であったのか?

一概にそうとは言い難いと思っています。売主買主、そして仲介会社が気持ちよくご案内できた環境作り。次に住んでいただく方への配慮や売り手側の心持ちが、とても清々しく、いろいろと心が交錯するような複雑な思いを残しながらも、私がとても勉強させていただいた取引でした。

このケースから学べること

不動産売却では、売主側は少しでも高く売るには?良い印象を持ってもらうには何をしたらいいか?を考えてしまうのは当然です。

逆に買主側はいかにお得に買えるか?多少古くても価格を抑えられれば自分らしく直して(リフォーム、リノベーションして)住めないか?と自らいろいろと調べます。売主がリフォームでかけた費用の分を、販売価格に上乗せできるかというと、今回のケースのように、“買主の意向に沿ったもの”でない限りは難しいと言えると思います。

むしろ、あまりに設備等が新しいと不動産購入してリフォームするのにためらってしまったり、価格が上乗せされてしまっていると割高感の印象だけ与えてしまいがちです。リフォームして印象を良くしたいということと、髙く売れるということは往々にして比例しないことの方が多いのです。ただ、買っていただくためにきれいな状態で買主様をお迎えしたいという姿勢はとても大切です。では何ができるのでしょう。

不動産売却のコツ、おすすめポイント

私の経験上、売主様にやって欲しいこと(いつもお願いをしていること)4点

1.玄関の印象度UP!

うす暗いことの多い共用廊下から、買主様が玄関ドアを開けた時の第一印象ってとても大事なのです。ポイントは「広く明るく清潔に」。リフォームまでする必要はありません。靴等は全て収納して、内見の前に電気はつけておく。そしてこまめな掃除と風通し。これだけで大幅に印象が違います!

2.整理整頓

いくらリノベーション前提で内見するとはいえ、広さのイメージは大切です。部屋が家具や生活雑貨であふれてしまっていては、実際よりも狭く見えてしまいます。どうしてもモノが多く、片付かない場合は、トランクルームの利用をお勧めすることも多いです。リフォームする代金と比べ安価に印象を良くすることができ、本来不要だったものを断捨離する良いきっかけにもなります。引っ越しの際にとても楽になったとの喜んでいただいたことも。

3.簡単なリフォーム

清潔感を損なってしまっている箇所(カビ、クロスのはがれ、穴など)は簡易なリフォームを検討していただくこともあります。DIYレベルで格段と印象を良くできることもありますので、現地査定の際等に提案することがあります。

4.リノベーション、リフォーム提案を用意

大まかにお部屋の印象を良くできていれば、あとはリノベーション、リフォームでどのように変わるのか?いくらくらい費用がかかるのか?を事前に用意をしておくことも非常に有効です。簡単なカタログや見積もり、可能であればスケッチなどもあれば、改装後のイメージがし易く、その場での疑問にすぐ答えることができます。買主様のリフォーム等の質問はおおむね想定できるので、準備しておくととても便利!

信用できる会社ではなく信用できる人に

不動産売却は、高額な資産を任せるので慎重に進めたいですよね。

最近はインターネットでの一括査定システムも気軽に利用できるようになってきましたが、査定額が高いからと言って販売力が強い会社とは限りません。

販売するコツが提案でき、かつ中古住宅の注意点(リフォーム・リノベーションを前提とした)をしっかりと買主様に伝えることができる担当さんにお任せすることが、スムーズに安全な取引ができ、ひいては物件の魅力を最大限に引き出してくれるポイントだと思います。

長年住んだ家を、次に住み繋いでくれる買主様に、新しい生活を提案できる。そんな担当さんを見つけることができたら、不動産売却の成功に大きく近づいたと言えます。

※弊社への売却のご相談はこちらから⇒


この記事の情報を用いて行う行動に関する判断・決定は、利用者ご自身の責任において行っていただくと共に、必要に応じてご自身で専門家等に相談されることを推奨いたします。弊社は、当記事の情報(個人の感想等を含む)と、この情報を用いて行う利用者の判断について、一切の責任を負うものではございません。

関連記事

BeatHOUSEスタッフ_鈴木

リノベ不動産 BeatHOUSE

BeatHOUSEスタッフ_鈴木

BeatHOUSEスタッフ_鈴木

BeatHOUSEスタッフ_菅原

BeatHOUSEスタッフ_中村

ちょっと待って!その物件、購入してもいいの?

BeatHOUSEスタッフ_中村
メリット・デメリット/再建築/物件・・・

CATEGORY

  • リノベーション事例
  • リノベーションの知識
  • 不動産の知識
  • ライフスタイル
  • インタビュー