マンションリノベーションでの遮音等級 LL/LHって何?

[記事更新日]2017/04/17

マンションを購入して、いざリノベーション!管理規約を見てみると、「遮音等級」や「LL-○○、LH-○○」などの見たことがない文字が・・・
今回は、遮音等級やLL/LHの数値などを解説しながら、マンションの床の構造など、お話いたします。

目次-contents-

床の構造

まずはマンションの床の構造についてお伝えいたします。
マンションを購入するとき、気になることのひとつでもある近隣住戸の方との「騒音問題」。特に小さいお子様がいる家庭などは気にされる方が多いでしょう。実際にマンションで発生する居住者間のトラブルの中で「生活音」に関するトラブルは非常に多く、解決が非常に難しい問題となっています。せっかく気に入って購入したマンションも上下の方との騒音問題ですぐにお引越し・・・となってしまったら、悲しいですね。
騒音の聞こえやすさは、隣接住戸との間にあるコンクリート(スラブ)の厚さ、天井の構造、部屋の面積、床の構造、床材の遮音等級など、様々な要因によって変わってきます。
その中でも床の構造は2種類に分かれます。

直床構造

フローリング

直床とは、床のコンクリート(スラブ)に直接フローリングなどの仕上げ材を貼るものです。給排水、ガス、電気配線などのスペースがないため、必要なところだけ床の仕上げを上げたり、床スラブを下げたりして対応します。そのため住戸内に床段差が生じることもあり、段差を解消するリノベーションが難しいケースもあります。

二重床構造

フローリング

床コンクリート(スラブ)の上に専用の支持ボルトを立て、その上に合板などの床下地材をのせて床仕上げを行う方法です。床コンクリートと床仕上げ(フローリングなど)の間に空間があります。この空間には給水管、排水管、ガス管、電気配線などを通します。二重床のメリットとして設備配管類のメンテナンスのしやすさがあります。一般的に二重床仕様のマンションの住戸の床には段差がなく、バリアフリー仕様になっているケースが多いです。

この2種類の床構造の遮音性能はどうなのでしょうか?
一般的には二重床の方が優れているという見解もありますが、一概にはそうとは言えません。音の響き方によって、二重床の方が遮音性が低いこともあります。二重床は周波数の低い音域では中間の空気層の空間がばねとなって床やコンクリートスラブが共振してしまう現象が起こり、逆に遮音性が低下してしまうことが知られています。このような観点から、どちらが優れているとは言いづらいですね。上記の構造の上に貼る床材の種類によっても、遮音性は異なります。次に、床材の遮音性についてです。

床材の遮音性

床の遮音性はLLとLHという2種類の衝撃音をもとに数値で表現されています。
・LL(レベルライト):軽量床衝撃音
軽量床衝撃音とは、一般的に食器やおもちゃなど比較的硬質で軽量な物が床に落下した時や椅子をひきずる時などに下階室で発生する床衝音のことです。
・LH(レベルヘビー):重量床衝撃音
重量床衝撃音とは、子供の飛び跳ねたり、走り回ったりする事により下階室で発生する床衝撃音をそう表します 。
それぞれの遮音等級は、LL-45やLH-50などといった単位で表され、床からの衝撃音の伝わりにくさを表しています。この数字が小さければ小さいほど遮音性能が高いということになります。

それぞれの値の音の伝わり方の目安は以下の表をご覧下さい。

 

 

遮音等級 L-40 L-45 L-50 L-55
人の走り回り,飛び跳ねなど かすかに聞こえるが、遠くから聞こえる感じ 聞こえるが、意識することはあまりない 小さく聞こえる 聞こえる
椅子の移動音,物の落下音など ほとんど聞こえない 小さく聞こえる 聞こえる 発生音が気になる
生活実感,プライバシーの確保 上階で物音がかすかにする程度、気配は感じるが気にはならない 上階の生活が多少意識される状態、スプーンを落とすとかすかに聞こえる、大きな動きはわかる 上階の生活状況が意識される、椅子を引きずる音は聞こえる、歩行などがわかる 上階の生活行為がある程度わかる、椅子を引きずる音はうるさく感じる、スリッパ歩行音が聞こえる

(日本建築学会「建築物の遮音性能基準」参照)

マンションによっては管理規約や使用催促において、上記の数値に基づき、フローリングの数値の制限が定められています。(多くのマンションではL-45やL-40の数値が多いですね。)この数値を守らないと、リノベーション工事の申請が管理会社や理事会から許可がおりめせん。良好な近隣関係や生活空間を築くためにも、しっかりと制限を守ったリノベーション工事をしましょう!

住んでみないとわからないことも

今住んでいるお住まいと購入するお住まいの構造の違いや、変化する家族構成やライフスタイルによって、発生する生活音は異なります。いろいろと書きましたが、実際にすんで見ないとわからないことも多いです。ですが、お住まいになってから解決するのは大変なので、物件探しの際はプロの不動産屋に構造の件を見てもらったり、リノベーションする際には、規約にしたがった仕様の床材を使用したり、遮音性能に優れた床材をプロに選んでもらうと良いでしょう。


この記事の情報を用いて行う行動に関する判断・決定は、利用者ご自身の責任において行っていただくと共に、必要に応じてご自身で専門家等に相談されることを推奨いたします。弊社は、当記事の情報(個人の感想等を含む)と、この情報を用いて行う利用者の判断について、一切の責任を負うものではございません。

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