WALL2 -それはそれは素敵な壁でした。(レンガ壁編)
昔々あるところに、それはそれは素敵な壁がありました。
その壁は、人々に愛されるあまり、絵やことばを受け入れてきました。
こんなのや、
こんなのです。
この壁は、いまや世界の至る所に存在しております。そうですレンガ壁です。レンガの起源をたどると、メソポタミア文明にまで遡ります。そうです。みなさんご存知のメソポタミア文明です。チグリス・ユーフラテス川ですよ。驚くことなかれ紀元前4000年からの歴史。今は2017年ですから、レンガは6000年の歴史です。
犬が人間とともに暮らし始めるより前から(レンガが)そばにいたので、そりゃ愛着も湧くはず。レンガごとにすこしずつ色味が違ったり、肌触りがしっかりあったりと、味わいが増していくのも特徴です。今回のWALLでは、そんなレンガ壁のある暮らしをご紹介。
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レンガ壁は外にあるものだと誰が言ったのだ
函館や横浜のレンガ倉庫が観光地になるわけですから、レンガにはさぞ人を惹きつける魅力があることでしょう。そんな外壁に使われることの多いレンガですが、部屋の中にあってもいいと思うわけです。
海外に住むので。
この物件に住むことになったなら、友達には「引っ越し先は、海外のアパートメントだよ」って言いましょう。リビングの壁は色合い鮮やかなレンガが一面。これですよ。この存在感。レンガが映えるこのお部屋をもう少しだけご紹介。天井は、几帳面に四角形に整えたブラックのライトレール。モルタル仕立てのキッチンボードは、しっとりとした風合いの床板と好相性。アーチの奥には、ヴィンテージテイストの棚。
キッチンは、目が覚めるようなグリーンに、白黒のチェックフロアだし、
洗面台の蛇口は、ゴールド。ゴールドですよ、ゴールド。住所は日本。でも、「海外で、暮らすので」。
この物件をもっと詳しくご覧になりたい方は、こちら。
BeatHOUSEリノベーション事例集「海外で、暮らすので」
ポイントは綺麗すぎないこと。
レンガって、綺麗すぎない良さがあると思うんです。無機質で物がなくて生活感がない部屋ってよりは、暮らしの匂いが感じられるような空間にこそ合う。年数が経ることで少しずつ表面が擦れたりして、いつも手をつくところだけ白くなったりして、そんなヴィンテージのように変化していく家っていいですよね。それを楽しめるなら、レンガ壁、ありだと思います。
壁のレンガ張りのタイルの目地の色、太さ。そして、イギリスの片田舎の縫製工場の壁面にて100年風雨にさらされてきたかのようなレンガの色味、エイジング具合です。部屋全体の雰囲気も、間接照明の明るすぎないぼんやりとした光と斜めに貼っていった味のある床板が、使い込んできたかのような空間です。
正面から見るとこんな雰囲気。レンガの色の違いが面白いですね。この部屋で、クラシック映画を見たいです。
白いレンガタイルは、上のリビングとはまた違った雰囲気です。壁がただ一面白いのではなく、レンガタイル貼りになることで、光の反射の仕方が変わります。シルバーとグレイッシュ、そして、きれいすぎないことを軸に、一つひとつの建材選びをしてきたらしいです。そんなこだわりが伝わります。
この物件をもっと詳しくごらんになりたい方は、こちら。
BeatHOUSEのリノベーション事例集「ミッドセンチュリーのアメリカンテイスト。ポイントは、きれいすぎないこと」
ワンポイントでも。
部屋全体をレンガ張りにすると、レンガという素材感の都合上、雰囲気としてはどうしても重くなってしまいます。レンガは使ってみたいんだけど、理想の部屋のテイストは明るくて軽めという方には、ワンポイントでレンガを用いることをおすすめします。
このように、明るい室内の中で、レンガ貼りをワンポイントで用いることで、その立体感が室内のいいアクセントになります。レンガの色味は、室内の雰囲気にあわせて明るめの色味を選ぶといいかもしれません。
こちらも同じくレンガのワンポイント使いのお部屋。ベッドルームにアクセントクロスとしてレンガタイルを用いています。かすれ具合が最高ですね。(暖炉いいなあ)
キッチンにレンガのワンポイントも似合いますね。海外の映画に出てきそうです。白を基調としたキッチンとの相性も抜群。(でも一番注目していただきたいのは、壁に貼ってあるポスターが、レンガ壁をバックにおしゃれさが倍増していること)
この枠が細くて開かないタイプの窓(伝わるでしょうか)とレンガの組み合わせは、もはやずるい。主張しすぎないレンガカラーのチョイスで、ブルー・グレーのキッチンとマッチしています。ここまでいくつかの素敵な壁をご紹介してきましたが、なんだか「レンガ✕キッチン」は最高な気がしますね。本当に。
素敵な壁を探す旅に、終わりはありません
それはそれは素敵な壁「レンガ壁編」をお届けしました。レンガって、室内にあると抜群の存在感で主役になります。風合いの違いを楽しみながら、ご自分のお部屋にも取り入れてみるのはいかがでしょうか。素敵な壁を追い求めるこのシリーズ。まだまだ続きます。