一戸建で多いトラブル「境界問題」トラブルを避けるために確認すべきこと
マンションや戸建てなど、住居に関してのトラブルは数多く有りますが、一戸建住宅でとても多いトラブルの1つに境界に関する問題があります。
この問題は、あなたが不動産を購入するときだけの問題ではなく、相続やその不動産を売りたい時になど、不動産を持ち続ける以上誰もがその問題に悩まされる可能性があるのです。
新しい分譲地などにおける区画同士の土地境界なら、それほど神経質にならなくても大丈夫なのでしょうが、古くからある住宅地の中で1区画だけが売り出されている中古物件や土地を購入する場合には、細心の注意を払わなければなりません。
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「境界問題」どうして起きるのか
お隣との関係が現在は良好でも、相続や売買などにより隣地所有者が突然かわってしまい、境界がハッキリしていないときに境界線のトラブルは発生します。
一つひとつの土地が広くて価格も安かった昔には、土地境界が1メートルずれていてもお互いにあまり気にしなかったでしょうが、現代では土地境界が1センチメートル違うだけで数十万円あるいは数百万円という価格の差になるため、土地境界をめぐるトラブルも多いのです。
争いの相手方は長年顔を突き合わせていくことになるお隣さんであり、お互い気持ちよく暮らしていくためにも土地境界トラブルはできるかぎり避けたいものです。
そこで今回は、土地境界トラブルを避けるため事前に確認しておきたい基本的な内容をまとめてみました。
境界線トラブルを避けるために確認しておくべきこと
それでは、境界線トラブルにならないためにあらかじめどんなことを確認しておけばいいのでしょうか。
①隣地や道路との境界をあらわす境界標が、きちんと境界上に設置されているか?
隣の土地との間には境界があるわけですが、地面に線が引いてあるわけではありませんので、何か目印がなければ隣の土地と区別できません。
この時に、隣の土地との境界の目印になるものが、境界標です。
これらの境界標識は、たいてい隣地所有者なども立ち会ったうえでお互いに確認した土地境界点に、土地家屋調査士などの有資格者が設置したものです。境界標は通常境界の折れ点に設置します。これにより境界標と境界標を結ぶ線が境界線であることがわかりますので、地面に境界線が引いてあるのと同じ事になるのです。
この境界標は色々な種類があますが、代表的なものの中に隣地や道路との境界をあらわす「境界杭」があります。
まずは、隣地や道路との境界をあらわす境界杭が、きちんと境界上に設置されているか確認しておきましょう。
境界杭は一般的にコンクリート製や金属製のプレートに十字や矢印が刻まれていますから、すぐに分かります。
また、境界線上にブロック塀が積まれていて杭が確認できないときは、ブロック塀の中心、内側、外側のどこが境界なのか確認しておきましょう。
境界線の内側にブロック塀が積まれている場合は、いつでも自由にブロック塀を新設することができますが、隣地側に塀が積まれているときは、勝手に直したりすることはできません。
②購入時には売り主に必ず確認する
初めに売主から隣地や道路との境界位置を「現地にて」明示してもらいます。このとき、売主が認識している土地境界と隣地所有者などが認識している土地境界が、必ずしも一致しているわけではありません。要するに、この認識が不一致の場合にトラブルが生じるのです。
また、売主に対して「隣地との間で土地境界をめぐるトラブルが生じていないか」を確認することも大切です。
現在進行形のトラブルがあるなら、その物件の購入はやめたほうが賢明でしょうし、「過去にトラブルがあったがすでに解決した」というのであれば、それを客観的に確認できる資料を求めるべきです。
③土地の測量図を確認する
測量図といっても、その作製目的により内容はさまざまです。
その中で確認すべきものは「確定測量図」(境界確定図)。敷地に接するすべての隣地所有者などの立ち会いと確認の署名・押印をもらい、さらに公有地との境界について官民査定を実施したうえで有資格者が作製した測量図です。
この他にも、隣地所有者などの立ち会いと署名・押印はもらったが官民査定は省略した「現況測量図」、隣地の立ち会いもない「現況測量図」や「実測図」、分筆登記をするための「地積測量図」などもありますが、測量図の名称が何であれ、大事なのは隣地の立ち会い印があるかどうかです。
最後に、まとめ
境界を確認するときは、境界線上から空中で越境しているものがないかも同時に確認しておきましょう。
そして、自分の敷地内(地中)を通過して隣地に引き込まれている水道管やガス管がないかということも忘れずに確認しておきたいところです。
ちなみに、給排水管やガス管といった地中埋設管は、その配管を管轄する水道局や市役所の下水道局、ガス会社に問い合わせてみると引込み状況が簡単に分かります。境界杭が設置されていないときや見つからないときは、隣接土地所有者全員の立会いが必要になるため、境界杭の設置には時間と労力が必要です。
境界をはっきりさせるタイミングは、あなたや隣接土地所有者が不動産を購入したり、売却したり、建替え行ったりする機会くらいしかありません。
土地や一戸建て住宅を購入する際は現地立会いのもと、引渡し前までに売主側に境界をはっきりさせてもらいましょう。