寝室にエアコンが付けられない!?マンションリノベーションの本当の話
中古物件を購入し、内装も設備も一新させ、マンションの外観からは想像もできないような素敵なリノベーションに住みたいと思っている方、インターホンやエアコン、ディスポーサー等を新しく付けたいな、とご検討されたことありますか?
マンションは戸建に比べて制限があります。今回は、住宅設備について「そのカスタマイズ、リノベーションで実現できない可能性が高い」というお話をご紹介したいと思います。
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エアコンの新設
エアコンは室内機と室外機がセットになっています。そのため、エアコンの設置が想定される箇所には、外と通じる配管用の穴が必要になります。築年数が古い物件になると、リビングにはあるけど洋室にはない、といったケースもあります。
配管用に穴を開けることをコア抜きと言いますが、打設済みのコンクリートはコア抜き前提では作られてなく、誤って構造に必要な鉄筋を切ってしまいかねません。
そのため、マンションの場合、管理組合から許可が下りずエアコンを設置できないということが多いので自分たちにとってどの程度必要かたたきプランぐらいの段階できちんと把握しておきたいですね。
また室外機1台に対し、室内機を2台以上つなぐことができるマルチエアコンというものもあります。こちらを採用する場合も、ドレンホースの勾配や配管など設計段階で計画した方が融通がきくので、リノベーションをお願いするプランナーの方に早い段階で相談しましょう。
インターホンの交換
共用エントランスと連動している、火災報知器や防災センターと連動しているというように共用部と関係していることが多い設備です。こういった場合、住んでいる人が勝手に交換してはいけない、ということがほとんどです。せめてお部屋の中の親機は新しいものにしたい…という場合も許可がおりないケースがあるので、必ず事前に確認しましょう。
前所有者の使用状況によっては黄ばみが気になる場合も。上記のような制限が特になく交換できれば良いですが、交換できないと分かったら、あまり目立たないところに移設する、あるいはインターホンをカバー等で隠すといったちょっとした工夫をリノベーションの設計段階でプランナーに相談してみましょう。
少し大きめのニッチに、インターホン、スマホなどの充電ステーション、雑誌や新聞を飾ってみる、というのも素敵ですね。インターホンの近くに物があって、なおかつ鮮やかな色で彩られると黄ばんだインターホンはひっそりと影を薄めていきます。笑
ディスポーザー
ディスポーザーは生ゴミを水と共に粉砕しそのまま排水管に流すことができる優れものです。しかし環境負担が大きいため処理設備をマンション内に作らないといけません。そのため、この処理設備が備わっていないマンションでは、ディスポーザーを設置することができないのです。
ディスポーザーはあると便利なもの、なくても困らないもの。もし、ディスポーザーを使いたい、という希望がリノベーション物件を探す上位条件なら、新築時にディスポーザーが採用されているマンションを選びましょう。
新築マンションでディスポーザーが多く採用されるようになってから10年以上たつので、中古市場でもディスポーザー処理設備のあるマンションを探すのは十分可能です。
給湯器の号数アップ
給湯器の「号数」というのをご存知でしょうか。給湯器というのは「お湯をつくる設備」です。そして号数というのは「水温+25℃のお湯を1分間に何L出せるか」という性能を表しています。
お風呂でシャワーを浴びていたけど、キッチンで他の人がお湯で洗い物をしだしたら、シャワーの勢いが減ってしまった…というのもこの号数が関係しています。
一般的に16号、20号、24号というのをよく見かけます。とても広い面積の住戸ではそれが2台、また業務用の32号が採用されているといったケースもありますし、逆に台所専用の5号給湯器というのもあります。
この給湯器の号数ですが、実は集合住宅の場合、好きに号数を上げていくことができないことがほとんどです。
各住戸にガスを送り出しているガスメーター。このガスメーターに容量というのが設定されています。4号メーターは16~20号、8号メーターは24~32号といった具合に細かく制限があるのです。
ガスメーター交換はガス供給会社にてしていただくことができますが、マンション全体に供給されているガスの供給量によっても各住戸が使用できる号数というのが決まります。ガス会社が過去に計算しているマンションは問い合わせるとすぐに回答してくれますが、未計算の場合は回答まで1週間前後時間がかかるようです。
まずは今住んでいるご自宅のガス給湯器の号数を確認し、新居で想定される生活を考慮したうえで中古マンションの購入をご検討していただくと「思ってたのと違った」ということにはならずにすみます。
おわりに
もし1つでも取り入れたいと思っていた設備があったら、中古物件を探される際、リノベーションで採用可能かどうか、というのも事前条件に含めて効率的に探せるといいですね。
リノベーションならなんでもできると思ってたのに!とならないように、事前に確認すべき点や相談する点などを知っているとリノベーションのプランニングを存分に楽しめます。この記事が、その一助になれば幸いです。