アーバンアウトドア③〜マインドフルネスは仕事にも好影響~
さて、シリーズでお伝えさせて頂いております“アーバンアウトドア住宅”の魅力について。
今回は前回の流れから“マインドフルネス”を軸にお話ししてまいります。
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Google社ではとっくに取り入れ済み!マインドフルネスについて知る
日本でマインドフルネスという言葉が広まリ始めたのは、昨年の春頃でしたでしょうか。この言葉をご存知ではない方もまだまだ沢山いらっしゃることでしょう。
このマインドフルネス、世界でいち早く取り入れたのがGoogle社です。
しかも社員のために!
その目的は、社員のEQ(心の知能指数)を高めること。
EQとは『自分の感情を認識する能力・他者の気持ちを理解して共感する能力・自分の感情をコントロールする能力』のことです。
Google社では“瞑想室”を設けています。
ボランティアスタッフや瞑想アプリによる瞑想誘導を、社員なら自由に誰でも受けることができます。
“瞑想”というと難しそうとか、面倒そうとか、敷居が高く感じる方も多いはず。ここでは、もっと気軽で気楽なマインドフルネス法を、後ほどお伝えさせて頂きます。
先に、マインドフルネスが生まれ広まった経緯をさらっとご説明いたします。
マインドフルネスという言葉が生まれたのは、1979年のアメリカです。
禅に影響を受けた、マサチューセッツ大学医学大学院教授で同大マインドフルネスセンターの創設所長のジョン・カバット・ジンが、禅の宗教色を取り除き人間の悩みを解決するための精神科学ととらえ、マインドフルネスストレス低減法(MBSR)を開発、医療に取り入れました。
治療法としては、瞑想(メディテーション)とヨガを基本としています。
MBSRにより脳の可塑性、つまり脳が鍛えられ活性化し前向きな気持ちになり免疫力もアップするとの論文が、前述のジョン・カバット・ジンと神経化学者リチャード・デヴィッドソン博士によって発表されました。
そしてそれを医療の世界だけでなく一般人にまで広めたのは、Google社のエンジニアであった人物チャディー・メン・タンです。Googleという会社自体でもあると言えるでしょう。
2014年にはTIME紙がマインドフルネスについて特集を組むほど、ストレス社会で生きる人々にとって、その良さが広く知れ渡るまでに至ります。
本格的に瞑想を行う時には、注意しておくべきこと
瞑想がうつ病などの精神的なやまいに高い効果があるものとして、ジョン・カバット・ジンは治療法の1つに取り入れています。
しかし、重い精神的なやまいを治療中の方が独自に瞑想を行うのは注意が必要です。服用しているお薬によってや瞑想の手法によっては、そのお薬と瞑想との相性が悪い場合があります。瞑想を行う際には主治医に相談するようにして下さい。
治療とまでは行かずとも深く何かに悩んでいたりする場合も注意が必要です。瞑想の手法によったり行い方を間違えたりすると、その悩みのことに意識がさらに集中してしまう結果となりかねません。
このような話だけをお知りになれば、瞑想への敷居はさらに高く感じられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、瞑想自体は1979年よりも遥か昔から現代に至るまで続いてきていることは、人にとって必要なものだからこそ。
瞑想を行うことで、思考しっぱなしの脳を休息させることができます。
脳や気分がスッキリとリフレッシュされ、ストレスや不安の軽減、記憶力の向上や柔軟な考え方が出来るようになるなど脳が活性化されるという効果が科学的に立証されています。
今すぐにでも実践できるマインドフルネス方法
瞑想というと、修行や宗教の一環でもあるので、坐禅を組んで目を軽く閉じて行う姿を思い浮かべる方が多いかと思います。
ところが、マインドフルネスのための方法はその形だけではありません。
脳を休ませて、思考・雑念から五感にスイッチを切り替える。
言い換えれば、意識を過去や未来から、現在へ戻す。
このために行える方法は、日常生活の中ですぐに簡単に取り入れられるとてもカジュアルなものが多いです。
その代表格が『食べる瞑想』と呼ばれるもの。
これなら敢えて時間を1分たりとも作る必要すらありません。
忙しいとどうしても仕事をしながら、あるいはテレビやスマホを観ながらなど“ながら食べ”をすることも少なくはないはず。
この“ながれ食べ”を止めて、食事を味わうことに意識を集中させるのが『食べる瞑想』です。
食事中ずっとが難しければ、始めのひと口だけでもやってみてください。
小腹が減ったり口寂しくなった時にちょっとつまむ程度のおやつの時に行うのも良質な休息になるでしょう。
やり方はとっても簡単です。
五感をフルに感じること。
色・形・大きさ・印象・重さ・におい・(おにぎりやパンなど手にするものなら)肌触り・舌触り・味・温度感・噛んだときの音・喉を通るときの感覚・・・。
その食べものに意識を向ければ向けるほど、舌の感覚も鋭くなり細かな味の変化などにも気づけるようになります。
普段よく食べているものや、好きな食べもので試してみると、新たにその食べものについて発見することもあるかもしれません。
『食べる瞑想』を続けていると、ご自身の身体が本当は何を欲しているのか、本当は食べたくないものかどうかが感じられるようにもなってきます。
それは常日頃からご自身の心身を大切にできることにもつながり、マインンドフルネスだけでなく健康にもつながると言っても過言ではありません。
ついつい食べ過ぎてしまうということもなくなるので、気づけばダイエットもできていたということだってありえます。
いつでもどこでも行えるマインドフルネス。
ですが、やはり良い環境で行えればそれに越したことはありません。
その環境が自宅にあれば、悩みや嫌なストレスから解放された毎日を送れるようになるはず。
次回はアーバンアウトドア住宅へ話を戻して行きたいと思います。
- 参考資料
- 「マインドフルネス瞑想の基本DVDブック」監修;長谷川洋介、えい出版社
- 「まる得マガジン はじめてのマインドフルネス」NHK出版
- 「BRUTUS 2017/02/15号 みんなのZEN」マガジンハウス